俺たちに明日はない
夜になると それまでの自分の生き方を恥じて
悔い改めてしまう魔の時間がある。
人によっては真夜中だったり明け方だったり
しでかした失敗や 思うようにいかない苛立ちなんかを抱えている時にヤツは来る。
明日になればきっと何かが生まれ変わると
救いの前の懺悔のように
蓋をして閉じていたパンドラを開ける。
腐臭のする怠惰な己と向き合って
のたうち回って泣いて疲れた頃に
「明日からはきっと」
と、いつものセリフを吐く。
暗く沈んだ今日と自分にサヨナラをして
新しく生まれ変わった自分と1日の始まりを信じて。
だって、明日って文字は明るい日と書くんですもの。
しかし、
自我が芽生えてから半世紀近く
熟成に熟成を重ねて腐らした自分の性根は
昨晩の涙くらいでは流せないくらい芯根にこびりついていて
深いため息を一つついてそんな自分に諦めるコトから1日が始まる。
繰り返すのは昨日の焼き直しの今日という名の昨日。
だから、俺たちには明日は無いのである。